|
【3月号】時言「手前勝手に教育を壊しているのは誰か」
|
2007/03/13
|
時言「手前勝手に教育を壊しているのは誰か」
安倍政権の教育改革は、例えば低下(?)した「学力」の向上とか、いじめ・不登校の問題解決をめざしたものではない。そのためとする喧伝は国民の意識をそらすためである。第一に彼等は子どものことを考えてはいない▽結論から言えば、旧教育法が「教育の目的」とする「人格の完成」は憲法の保障する基本的人権を具有する主体的な個人の確立である(その個人が民主社会の担い手となるのだ)が、その考え方そのものが、人々や子どもの手前勝手・自己中心主義を生み、教育荒廃・青少年の退廃、社会の荒廃を惹起している。それ故、「個人は国家(公)のためにある」とする教育勅語の方向に切り変えるという方向の攻撃である▽すでに改定教育基本法では、国を愛する態度や、「公」を重んじる方向が規定され、教育再生会議を受けての教育関係法案の方向は、教員免許の更新制導入、地方教育委員会の文科省支配という因承主義が強行されようとしている▽今まさに、自分の身体を含む生活のすべてを自分でコントロールし主体的個(主権者)として国家を作る方向と、国家主義による個の抑圧という方向がせめぎあう、今「公」の概念を国家主義的支配に包摂しようとする策動に警戒しつつ、自立した主体的個々こそが「公」の形成者であることを示さねばならない▽98年以降の是正指導攻撃が解放教育のめざす主体的人間作りを破壊するためであったことが、より鮮明になってくるが、その認識をきっちり踏まえた現状への対応が大切である。 (安保英賢)
|
|
|
|