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時言「せめて今より・・・」
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2007/04/14
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時言
冷戦解体後のグローバル化した世界は、人々の想像・分析等による対応力を越え、人為的コントロールに不安を抱かせる程までに複雑化・巨大化し、それ故に世界は不透明を深めている。人々は「世界のことはようわからん、どうなっていくんじゃろう」等、ある種の潜在的不安に陥っている。新しい世紀になつても戦争は多発する。歴史認識・領海等をめぐる隣国との摩擦。あるいは1000兆にも及ぶ国の借金。医療・年金・介護への不安、また犯罪(総数は減少)の多発報道・・・。近所のおじさんの弁「これまで頑張って来たが、わしらはええ死に目に会えんでぇ」も無理からぬ。このように政治的・社会的に醸成・増幅される不安の中、人はいつの間にか大樹の蔭わ求め、多数に身を寄せる。心理学の教える通りである▽そらに加えて、正規・非正規、非正規の中の多様な雇用形態による分断を喰った労働者は、社会的立場による団結や、その視点からの真の敵を、見失い、上や下を見て「せめて今より悪くなりたくない」との現状維持に埋没する▽この「不安」「寄らば大樹・・・」「せめて今より・・・」という大衆の意識こそ、自らの票田を知悉している保守政治家は、意図的に不安を煽る▽私たちはその大衆の心にどのように呼びかけ、灯をともし、自己回復・自立をめざいのか。マイノリティであるが故の困難を克服し、状況を切り開くためには私たち自身状況認識し闘争方針の共有の下での総団結と熱中こそが求められている。
(文責 安保英賢)
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