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【6月号】小さいが確かな反撃の一歩
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2007/06/11
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小さいが確かな反撃の一歩
技術ビザで来日しながら、単純労働につけさせられていた中国人労働者5名の権利をめぐっての闘争に決着がついた。株式会社セレクトは、解決金として各自45万円の現金を支払い、家賃等の控除は行わないこと、中国に帰国する航空チケットを用意することで基本的な合意にいたり、6月6日には無事、中国に帰国できる運びとなった。
もともと、彼らが日本語をあまりできないことを知っていながら、日本に連れてきたのは、単純労働につけさせて利益を得ようとしていたからに他ならない。今回は、資格外労働をしていたことを入管が知って、調査に入ったために問題が明るみに出たが、セレクトは同様のことを繰り返していた可能性が高い。
研修生や実習生の問題は比較的知られてきたが、今回のように技術ビザで入国し、劣悪な労働条件の下で搾取されている多くの外国人労働者がいることが明らかとなった。日本の労働者がこのような実態を知り、彼らに手をさしのべ、連帯して闘わなければ、「次は我が身」となることは明らかである。新グローバリズムの中で、資本は世界の低賃金労働者の存在を認識した。そして、その最低水準に日本の労働者を持って行こうとしているのである。
今度の闘いが、新グローバリズムに対する小さいが確かな反撃の一歩となれば幸いである。 (土屋信三)
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